一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、営業所や車庫だけでなく、乗務員が休憩や睡眠をとるための施設についても、一定の要件を満たす必要があります。
休憩・睡眠施設は、適切な設置場所や広さを確保することに加え、建物の使用権原や都市計画法・農地法などの関係法令についても確認しなければなりません。
この記事では、一般貨物自動車運送事業の許可取得に必要な休憩・睡眠施設の要件と、設置場所を検討する際の注意点について解説します。
休憩・睡眠施設は営業所か車庫に併設することが原則です。
また、営業所と併設する場合、営業所と同じ部屋でも設置することはできます。営業所と休憩施設を同じ部屋に設ける場合の区画方法などについては、施設の状況に応じて、事前に管轄の運輸支局へ確認してください。
いすやテーブル、ソファーなど乗務員は休憩することのできる備品が設置されていなければなりません。許可申請の際には、営業所と同様に、備品等の設置状況を確認できる写真を添付して申請します。
乗務員に睡眠を与える必要がある場合は、同時に睡眠をとる乗務員1人当たり、2.5㎡以上の広さを確保する必要があります。
使用権原とは、その土地・建物を適法に使用することのできることを示す法律上の根拠となる権利のことをいいます。
自己所有の場合は特に問題ありませんが、賃貸借の場合は、原則として2年以上の使用権原を確認できる契約書等が必要です。ただし、契約期間や更新条項の内容によって取扱いが異なる場合があるため、個別に確認してください。
営業所と同様に、都市計画法等の関係法令の規定に抵触しないことが必要です。関係法令への適合を事前に確認する必要があります。
市街化調整区域では、原則として建築が制限されているため、営業所を設置する場合には注意が必要です。
どうしても市街化調整区域に設置する場合は、開発許可等を受けることができるか、事前に自治体へ確認する必要があります。
用途地域とは、都市計画法に基づき、どの地域にどんな建物を建ててよいかを定めたもので、全13種類の区分に分かれています。
運送業の営業所、休憩施設は、用途が「事務所等」に該当します。
「工業地域」や「商業地域」であれば特に問題はありません。
しかし、「〇〇住居専用地域」である場合、事務所等として使用ができなかったり、床面積の制限があったりするので、注意が必要です。
また、これら住居専用地域でも「兼用住宅で、事務所等として使用する部分の床面積が50㎡以内かつ全体の延べ面積の2分の1未満のもの」は、営業所として認められますが、あくまでも住居として使用することが基本ですので、事前に行政に確認・相談されることをお勧めします。.png)
休憩施設を設置しようとする場所がどの用途地域に該当するのかは、各自治体の都市計画担当の係に確認します。
休憩施設として使用しようとする土地が農地(田・畑)の場合、農地法上の手続が必要となる場合があります。
農地か否かは登記簿の地目を確認する必要があります。
もし、農地である場合、農地転用が必要となるので、必要な手続を自治体や農業委員会等に確認してください。
一方、非農地証明が取得できる場合、休憩施設として使用できるケースもあるので、事前に運輸局等に相談することをおすすめします。
これら以外にも、河川地域の雨水浸透阻害行為許可が必要な地域など別途許可や届出等が必要となる場合があります。
法令に抵触するものはないか、事前に管轄の自治体に確認するようにしましょう。
一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、乗務員が有効に利用できる休憩・睡眠施設を確保し、設置場所、施設の広さ、使用権原などの要件を満たす必要があります。
また、施設を設置する土地や建物については、都市計画法、建築基準法、農地法などの関係法令への適合も確認しなければなりません。
物件によっては、施設として使用するために別途手続が必要となる場合もあります。そのため、物件を契約する前に、管轄の運輸支局や自治体などに確認しておくことが大切です。
休憩・睡眠施設の設置場所や要件についてお困りの場合は、運送業専門の行政書士にご相談ください。
当事務所では、一般貨物自動車運送事業の許可申請から事業開始後の各種手続き、外国人ドライバーの受入れまでサポートしております。
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