特定技能外国人(外国人ドライバー)

特定技能外国人(外国人ドライバー)

特定技能「自動車運送業」による外国人ドライバーの受入れについて、受入れの要件、在留資格の手続、雇用・支援に関するポイントなどを、運送業と特定技能に詳しい行政書士が分かりやすく解説します。

特定技能「自動車運送業」|外国人ドライバーの受入れ要件・手続と支援

外国人トラックドライバー受入れの3つのポイント
① 特定技能1号での受入れ
② 海外から採用する場合は「特定活動」を経て日本の運転免許を取得する
③ 受入企業には、Gマーク等・協議会加入・支援体制などの要件がある

Ⅰ 外国人がトラックドライバーとして働ける在留資格は

外国人が日本で在留するためには在留資格が必要です。
また、日本で就労するためにはそれに応じた在留資格が必要です。ただ、一部には就労制限のない在留資格もあります。
・永住者(永久許可を受けた者)
・日本人の配偶者等(日本人と婚姻している外国人・実子など)
・永住者の配偶者等(永住者の外国人と婚姻している外国人など)
・定住者(日系3世など)
以上の在留資格は「身分・地位に基づく在留資格」と言われ、活動の制限はありません。つまり、仕事の制限はなく、当然、必要な運転免許を取得していればトラックドライバーとしても働くことができます。


では、上記の在留資格以外で、トラックドライバーとして就労することできる在留資格として、自動車運送業分野の「特定技能1号」という在留資格があります。いわゆる外国人トラックドライバーの受入れが可能な在留資格として注目されています。


なお、日本の運転免許を取得していない外国人が自動車運送業分野の特定技能1号として就労する場合、まず、日本の運転免許を取得するために「特定活動(特定自動車運送業準備)」(在留期間:6か月)という在留資格で入国・在留する仕組みがあります。


Ⅱ 特定技能制度について

特定技能制度の概要

「特定技能制度」は、人手不足が顕著な産業分野を対象に、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人労働者を受け入れる仕組みとして2019年4月から開始された制度です。


現在、特定技能の対象分野は19分野となっており、その一つに自動車運送業分野があります。2028年度末までの自動車運送業分野1号特定技能外国人の受入れ上限は2万4500人とされています。
 ※2026年3月末現在の受入れ人数:333人


特定技能の特徴

○各分野・区分に応じて技能要件・日本語要件があること
○在留期限の上限は、
  ・特定技能1号:5年間
  ・特定技能2号:制限なし
○1号特定技能外国人を雇用する場合、職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援の計画を作成・実施することが義務付けられている。


自動車運送業分野では、現在のところ特2号はまだ設定されておりません。よって、今回の記事では「特定技能1号」を中心に説明します。


支援業務について

支援には「義務的支援」と「任意的支援」があり、義務的支援については、受入れ企業が自ら実施するか、登録支援機関に委託することができます。
なお、義務的支援とは次の10項目です。

            特定技能外国人の「義務的支援」10項目について、詳しくはこちら👉

自社支援と登録支援機関への支援委託

自社で支援をする場合の要件

自社支援には一定の支援体制・要件が必要であり、この条件をクリアしなければ自社での支援をすることはできません。
自社で支援を行うには次の①から③のいずれかの実績を満たす必要があります。
① 「過去2年間に中長期在留者(いわゆる就労すことのできる在留資格を有する外国人)の受入れ又は管理を適切に行った実績があること」及び「役職員の中から支援責任者及び支援担当者を選任していること」
② 過去2年間に中長期在留者の生活相談業務への従事経験がある役職員の中から支援責任者及び支援担当者を選任していること。
③ ①②の該当者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として入管庁長官が認めるもの


なお、「支援責任者」「支援担当者」は兼務することは可能ですが、支援担当者は就労する事業所ごとに1名以上を選任する必要があります。
注)なお、2027年4月1日からは支援体制に関する要件が改正され、支援責任者及び支援担当者を事業所ごとに選任することなどが必要となる予定です。また、支援責任者には養成講習の修了も求められる予定です。今後、自社支援を検討する場合は、改正内容を踏まえて支援体制を整備する必要があります。


さらに、外国人が理解できる言語で支援することができる体制も整備する必要があります。


上記のとおり、自社で支援をする場合は、要件に合った体制を整える必要があります。

支援の全部を登録支援機関に委託する場合

自社で支援できる体制がない場合、「登録支援機関」に支援の全部を委託することができます。
登録支援機関とは、特定技能外国人を支援することのできる機関として入管庁長官の登録を受けた機関です。
登録支援機関は受入れ機関との支援委託契約により支援の全部を実施します。

支援の一部を他社に委託し、一部を自社で支援するという「一部支援」という方法がありますが、これは、自社支援できる体制があった上で一部を他社に委託することができるというものです。


Ⅲ 自動車運送業分野の特定技能外国人の受け入れの要件

トラックドライバーとして特定技能外国人を受け入れる場合、企業側・外国人側、雇用条件等の要件は以下のとおりです。

受入れ企業側の要件

ア 自動車運送事業を経営する者
イ 「働きやすい職場認証」または「Gマーク(安全性優良事業所)」の認証・取得
ウ 協議会(自動車運送業分野特定技能協議会)への加入
エ その他の必要条件
(ア)労働・社会保険・租税に関する法令を遵守していること。
(イ)雇用締結の1年以内及び締結後に同じ業務に従事する労働者の非自発的離職を発生させていないこと
(ウ)雇用締結の1年以内及び締結後に会社側の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないこと
(エ)欠格事由に該当しないこと
(オ)自社支援をする場合、支援の体制を有していること
(カ)義務的支援実施に係る費用を企業側が負担すること
                    受入れ企業側の要件について詳しくはこちら

外国人側の要件

年齢 18歳以上
健康状態 良好であること
技能・資格 ・自動車運送業分野特定技能1号評価試験に合格
・日本の第一種運転免許証を取得(※:日本の免許証を取得していない場合、「特定活動(特定自動車運送業準備)」で在留しながら、日本の運転免許を取得します。)
日本語能力 次のいずれかの試験に合格していること
・日本語能力試験(N4以上)
・国際交流基金日本語基礎テスト

            特定技能自動車運送業の技能試験とは?詳しくはこちら👉
            外国人ドライバーに必要な日本語能力は?詳しくはこちら👉

雇用形態・雇用条件に関する要件

業務内容 トラックの運転及びそれに付随する業務であること
※付随業務とは、業務に従事する日本人が通常従事する関連業務。
雇用形態・労働時間 ・直接雇用であること。
・所定労働時間がフルタイムであること。
   ※仕事の掛け持ち、アルバイトは不可
・通常の日本人労働者の所定労働時間と同等であること
賃  金 報酬額が、同等の業務に従事する日本人と同等以上であること
休  暇 外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させること
※業務上、取得させないことがやむを得ない場合を除く


Ⅳ トラックドライバーとして乗務を開始するまでの流れ(海外から採用する場合)


なお、すでに日本に在留している外国人を採用する場合は、現在の在留資格や日本の運転免許証の有無によって手続が異なります。海外から採用する場合のように、必ずしも「特定活動(特定自動車運送業準備)」を経て「特定技能1号」を取得する流れになるわけではありません。
           国内在留外国人をトラックドライバーとして採用する場合の流れはこちら👉


Ⅴ 特定活動(自動車運送業準備)とは?

日本の運転免許を取得するための準備期間として「特定活動(特定自動車運送業準備)」が設けられています。

在留期間 6か月(更新はできません。)

日本の運転免許を取得した後は、速やかに特定技能1号への変更申請を行う必要があります。
雇用形態 特定技能1号と同じ、直接雇用
支援の有無 特定技能と同じ支援体制・支援の実施が求められます
活動内容 ・運転免許の取得

・運転免許を必要としない業務について、一定の範囲で従事することができます。

Ⅵ 入社後の必要な手続き

日本人と同様に必要な対応

・

  • 社会保険の加入 ※年金事務所に届出
  • 労働保険の加入 ※ハローワークに届出
  • 健康診断(雇い入れ時・定期診断)
  • 安全衛生教育
  • 勤怠管理・給与の支払い・給与明細の発行
  • 年末調整・源泉徴収票の発行

特定技能外国人を受け入れる場合、入管手続だけでなく、労働・社会保険関係の適切な管理も重要です。


特定技能外国人特有の対応

・入管への定期届出 ※年1
 ※2026年4月から定期届出の取扱いが変更され、現在は原則として年1回の届出となっています。
・外国人雇用状況の届出 ※雇用保険非加入の場合
・支援業務 ※登録支援機関に業務委託可能
・在留期間の更新


その他、雇用条件の変更、支援内容・体制の変更があった場合、入管への随時届出をする必要があります。


Ⅶ 当事務所のサービス

⒈ 外国人雇用に関して相談全般

当事務所は、在留資格業務にも精通しています。特定技能に限らず、外国人雇用に関する在留資格について相談を承っています。


また、特定技能外国人の受け入れを検討中で、具体的な採用に向けた活動をお考えの事業者様に対して、自動車運送業に精通した人材紹介会社・登録支援機関をご紹介いたします。
採用に向けた第一報に対してサポートいたします。


⒉ 在留資格申請サポート(必要書類の案内・収集・書類作成・申請取次)

特定技能外国人の在留資格申請は、添付する書類、作成する書類が多く、その準備は煩雑です。
当事務所は、必要書類についてご案内し、必要に応じては収集の代行も行っています。お客様のご負担を限りなく軽減し、日程管理をしっかり行い、安心した業務遂行をしてまいります。


⒊ 採用後の入管への各種届出の支援(書類作成・届出の代行)

特定技能外国人は採用後も雇用条件の変更や支援計画の内容が変更した場合など、入管に届け出る必要があります。
その際には、書類作成から届出の代行まで行っています。



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