営業所の要件

営業所の要件

一般貨物自動車運送事業の営業所について、設置場所の用途地域、市街化調整区域や農地の確認、使用権原、設備・備品、車庫との距離など、許可申請前に確認しておきたい要件を分かりやすく解説します。

一般貨物自動車運送事業の営業所要件|用途地域・使用権原・設備などを解説

一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、運送に使用する車両や車庫だけでなく、事業を行うための営業所についても一定の要件を満たす必要があります。
営業所については、設置する場所の用途地域や市街化調整区域・農地との関係、建物を使用する権原、必要な設備・備品などを事前に確認しておくことが重要です。
特に、営業所として使用する物件を契約した後に、運送業の営業所として使用できないことが分かると、許可申請そのものに影響する可能性があります。
この記事では、一般貨物自動車運送事業の営業所について、許可申請前に確認しておきたい主な要件や注意点を解説します。


都市計画法等に抵触しないこと

営業所を設置する場所が、都市計画法等の関係法令の規定に抵触しないことが必要です。この点を誤ると不許可となります。

市街化調整区域に注意

市街化調整区域では、原則として建築が制限されているため、営業所を設置する場合には注意が必要です。
どうしても市街化調整区域に設置する場合は、開発許可等を受けることができるか、事前に自治体へ確認する必要があります。

用途地域に注意

用途地域とは、都市計画法に基づき、どの地域にどんな建物を建ててよいかを定めたもので、全13種類の区分に分かれています。


運送業の営業所は、用途が「事務所等」に該当します。
「工業地域」や「商業地域」であれば特に問題はありません。
しかし、「〇〇住居専用地域」である場合、事務所として使用ができなかったり、床面積の制限があったりするので、注意が必要です。
また、これら住居専用地域でも「兼用住宅で、事務所等として使用する部分の床面積が50㎡以内かつ全体の延べ面積の2分の1未満のもの」は、営業所として認められますが、あくまでも住居として使用することが基本ですので、事前に行政に確認・相談されることをお勧めします。

営業所を設置しようとする場所がどの用途地域に該当するのかは、各自治体の都市計画担当の係に確認します。

農地に注意

営業所として使用しようとする土地が農地(田・畑)の場合、農地法上の手続が必要となる場合があります。
農地か否かは登記簿の地目を確認する必要があります。
もし、農地である場合、農地転用が必要です。
一方、非農地証明が取得できる場合、営業所として使用できるケースもあるので、事前に運輸局等に相談することをおすすめします。。

その他

これら以外にも、河川地域の雨水浸透阻害行為許可が必要な地域など特別な手続きをしないと許可が下りない場所もあります。
法令に抵触するものはないか、事前に管轄の自治体に確認するようにしましょう。


使用権原を有していること

使用権原とは、その土地・建物を適法に使用することのできることを示す法律上の根拠となる権利のことをいいます。
自己所有の場合は特に問題ありませんが、賃貸(借入れ)の場合は、2年以上は使用可能であることを疎明する必要があります

自己所有の場合
・登記簿謄本
・登記されていない建物の場合、売買契約書、建築確認書等
賃貸(借入れ)の場合
・賃貸借契約書
※ 契約期間が2年に満たない場合は、「自動更新」の記載があれば基本的に問題なし。
※ 契約書に「営業所として使用可能」の文言がなければ、別途「使用承諾書」が必要。


面積や設備・備品について

一律の面積基準があるわけではありませんが、営業所として業務を行えるスペースを確保する必要があります。
また、業務を遂行できる設備・備品も必要となります。例えば以下の設備です。
・机・椅子(ミーティングができる環境)
・固定電話、FAX
・パソコン、プリンター
・書類を保管するキャビネット 等


申請には、営業所に必要な設備・備品等が備えられていることが確認できる写真を添付します。
もし、申請時にこれらの設備等が用意できない場合は設備等なしの状態で撮影した写真を添付して申請しますが、申請後に必要な設備・備品等が備えられた状態の写真の提出を求められることがあります。


営業所と車庫の距離について

営業所と車庫は併設することが原則ですが、そうでない場合は各運輸局管内ごとにりょり要件が定められています。
関東運輸局管内の場合は以下のとおりです。

東京都(特別区に限る)、神奈川県(横浜市および川崎市に限る)
20km以内
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都(特別区を除く)、神奈川県(横浜市および川崎市をのぞく)、山梨県
10km以内


営業所の契約・申請前の確認リスト

□ 土地の登記簿上の地目の欄が「田」「畑」になっていませんか?
  ➡農地は、原則不可です。
□ 市街化調整区域になっていませんか?
  ➡市街化調整区域内では原則不可です。
□ 用途地域が「低層住宅専用地域」になっていませんか?
  ➡事務所用途に使用できません。
□ 建物が賃貸の場合、賃貸借契約書の契約期間が2年以上又は自動更新となっていますか?
□ 建物が賃貸の場合、賃貸借契約書の使用目的が「事務所・営業所」となっていますか?
□ 営業所内に必要な設備・備品が備えられていますか?
  ➡用意できなくても申請はできますが、事後に確認の写真の提出を求められることがあります。
□ 車庫が併設されていない場合、車庫との距離はして指定の範囲内ですか?


営業所や車庫の物件を契約する前に、運送業許可の要件を確認することをお勧めします。


まとめ

運送事業の営業所を設置する場合には、単に事務所として使用できる物件を探せばよいわけではありません。
関係法令、建物の使用権原、車庫との距離など、事前に確認しておきたい事項があります。
特に、営業所として使用する物件を契約した後に問題が判明すると、許可申請に影響する可能性があります。そのため、物件を契約する前に、一般貨物自動車運送事業の営業所として使用できるかを確認しておくことが重要です。
「この物件を営業所として使えるか分からない」
「営業所の移転・新設を検討している」
など、営業所の要件についてお困りの場合は、運送業を専門とする行政書士にご相談ください。


当事務所では、一般貨物自動車運送事業の許可申請から事業開始後の各種手続き、外国人ドライバーの受入れまでサポートしております。
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