「新しく運送会社を立ち上げたい」「別法人を作って緑ナンバーの事業をスタートしたい」とお考えの経営者様へ、一般貨物自動車運送事業の許可について分かりやすく解説します。運送業の許可申請は、提出書類が多く、要件の確認が非常に厳格な業務です。
まずは全体の概要とクリアすべき条件をチェックしてみましょう。
一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で自動車(トラック等)を使用して貨物を運送する事業をいいます。一般的に「緑ナンバー」や「営業用トラック」と呼ばれるビジネスがこれに該当します。
自社の荷物を運ぶ「白ナンバー」での運送とは異なり、国(国土交通大臣・地方運輸局長)からの正式な「許可」を受けなければ、1日たりとも営業することはできません。もし無許可で営業(白タク行為)を行った場合は、重い刑事罰の対象となります。
運送業の許可を取得するためには、大きく分けて「人」「物」「資金」「その他」の4つの厳しいハードル(要件)をすべてクリアしなければなりません。
運行の安全を守るため、社内の体制(適切な人員配置)が厳しくチェックされます。
申請後に実施される「役員法令試験」に合格する必要があります。
営業所ごとに、国家資格を持つ「運行管理者」を1名以上確保しなければなりません(他の業務との兼任は原則不可)。
車両の点検・整備を管理する「整備管理者」を1名以上確保する必要があります(実務経験や有資格者など)。
運行を開始するまでに、最低5名以上の常勤ドライバーを確保する必要があります(運行管理者や整備管理者との兼任は原則できません)。
営業所、車庫、車両といったハードウェアの要件です。実はここで躓くケースが最も多いです。
農地法、都市計画法、建築基準法などの法律に違反していないことが絶対条件です。
営業所に併設されているか、一定の距離内(千葉県などでは原則10km以内)にあること。また、すべての車両を完全に収容でき、前面道路の幅員(道路幅)が関係法令をクリアしている必要があります。
1つの営業所につき、最低5台以上のトラック(登録自動車)が必要です。
「開業した後にすぐ倒産してしまう」という事態を防ぐため、十分な自己資金を持っていることが求められます。
最初の数ヶ月分の人件費、燃料費、家賃、車両費、保険料などを合算した金額(目安として約1,500万円〜2,000万円前後)を計算します。
計算した必要額以上の預貯金が、申請時から許可が出るまでの間、「常に口座に残っていること」を銀行の残高証明書(2回提出)で証明しなければなりません。
役員の中に、過去に刑罰を受けたり、運送業の許可取消処分を受けてから一定期間が経過していない人がいないこと。
対人賠償が無制限の自動車保険(任意保険)に加入する計画であること。
申請準備から実際に許可が下りるまで、約4ヶ月〜5ヶ月の期間がかかります。
【1】物件・車両・資金・人員の要件確認(事前調査)
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【2】必要書類の収集・申請書の作成
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【3】運輸支局へ許可申請書を提出
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【4】役員法令試験の受験(申請の翌月または翌々月、年6回実施)
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【5】運輸局による審査(約3〜4ヶ月)
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【6】許可決定(許可書の交付)
「許可が下りたらすぐにトラックを走らせられる」わけではありません。事業を開始するまでには、さらに多くの手続きが待っています。
「運行管理者」と「整備管理者」を正式に選任し、運輸支局に届けます。
事業を開始する準備が整ったこと、特に運転者全員の社会保険・労働保険への加入状況を運輸支局に報告するものです。
運輸開始前の確認を無事完了すると、運輸支局から車両を事業用(緑ナンバー)に登録するための「事業用自動車連絡票」が発行されます。
この連絡書を陸運局の登録窓口に提出するこよで、車検証の「自家用・事業用の別」が「事業用」に書き換えられ、緑ナンバーが交付されます。
なお、連絡書の有効期限は発行から1カ月です。
車両が緑ナンバーになり、任意保険の切り替えも完了したら、運送事業を開始することができます。
運輸開始後に遅滞なく(概ね30日以内)に運輸支局に対し、設定した事業の運賃と料金を届出ます。(一般的には、運輸開始届と同時に提出します)
運賃とは・・・運送の対価
料金とは・・・附帯サービス(荷物の積み下ろしなど)の対価
事業を開始したら、速やかに「運輸開始届」を提出します(事後報告)。
許可の取得から事業開始(運輸開始届の提出)までは1年以内に行わなければなりません。
この期限を過ぎると、取得した許可そのものが失効してしまいます。
一般貨物自動車運送事業の許可申請は、確認すべき法令が多岐にわたり、スムーズな申請には専門的知識が必要となります。当事務所では、経営者様が安心して本業に集中できるよう、以下のトータルサポートを提供しております。
①事前の物件・道路幅員調査(失敗しない場所選び)
②必要資金額のシミュレーションと残高証明書のアドバイス
③煩雑な申請書類・添付図面の作成および提出代行
④難関と言われる「役員法令試験」の独自対策資料のご提供
⑤「運輸開始届」までの各種届出
「ウチの自己資金で足りるだろうか?」「この場所で許可が出るか見てほしい」といった初期段階のご相談も大歓迎です。運送業の未来を見据え、許可取得からその後の法改正対応(5年更新制)まで、伴走者としてサポートいたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。